【ネタバレ】アドラー心理学「幸せになる勇気」を読んだ感想→自分なりにまとめてみた

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こんにちは、*min*です。

話題作「嫌われる勇気」を読んでしばらく経って、ちょっと前に発売されていた「幸せになる勇気」。

 

読んでみたくてずっとずっと気になっていました。
そして、先日ついに購入し、読破。

 

やっぱり面白かったですね~。
人間関係全般にも、そして何より今後の子育てにも生かせそうな具体的な内容で、学びが多かった!

今回は、「幸せになる勇気」を読んでみた感想と、自分なりにまとめてみたっていう内容です。

※「嫌われる勇気」は13記事にわたって書き連ねた大作(?)だったんですが、今回は1記事のみなので大分長くなってしまいました^^;

 

ざっくりした流れと個人的に心に残った5つのポイント

 

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「嫌われる勇気」では、初めて触れる考え方ばかりで目からウロコが満載でした。
今度の「幸せになる勇気」は、新しい考え方というより、前回のものを深堀した感じです。

あとがきにも、「『嫌われる勇気』は大きな地図、『幸せになる勇気』はコンパス」と書かれていました。
そう、確かにそんな感じ。
具体的にどうしていけばいいのかといった行動指針みたいなものですね。

教師としてアドラーを実践し、3年ほど経った悩める青年が哲人に怒鳴り込んでくるところから始まります。
そこから、前回同様時には皮肉ったりイライラしたりプンスカしながら食って掛かる青年をサラッと哲人が切り返していくスタイル。

色々議論しますが、最終的に青年は哲人と「最良の別れ」を迎え、自立を果たすべく現実の扉(教職)に戻っていくという流れです。

「嫌われる勇気」が読めた方なら、変わらず楽しく読めると思いますよ。

 

個人的には、

①「他者への関心→他者の関心事に関心を寄せること=相手への尊敬の第一歩」
②「問題行動の5段階」
③「三角柱」=「悪いあの人」「かわいそうなわたし」「これからどうするか」
④「すべての仕事に優劣はなく、どんな態度で取り組むかが大切」
⑤「相手が自分のことをどう思っているか関係なく(課題の分離)、先にただ愛する」

この5つが心に残っています。
そして、実生活に落とし込めそうだなとも感じています。

 

実生活に落とし込もうと思っているところを自分なりにまとめてみた

 

①「他者への関心→他者の関心事に関心を寄せること=相手への尊敬の第一歩」

どんな相手でも、まずは自分から「尊敬」する。
わが子にも実践したいことですね。
「尊敬」といっても、なんとなくイメージにあるような「憧れ」的なものではないんです。

「尊敬とは、その人が、その人らしく成長発展していけるよう、気遣うこと」byエーリッヒ・フロム

否定せず、強要せず、ありのままの「その人らしさ」を受け入れ、尊重すること。

具体的には、
「もしわたしがこの人と同じ種類の心と人生を持っていたら?」と考えること。
子どもが関心を寄せることに自分も関心を寄せてみること。
そうすることで、子どもがどうしてその行動を取っているのかがわかります。

これが「共感」に繋がります。

それが「ありのままのその人を受け入れ、尊重すること」、つまり「尊敬する」ということです。

 

自分のフィルターで物事を見て、
例えば「それはためにならないからやめといた方がいい」とかアドバイスするのはたとえそれが善意であっても相手を尊敬できてないということですね。

ついつい自分の世界観を押し付けてしまいそうになりますが、気を付けたいところです。

教育する立場だったり、組織のリーダーは常に「自立」という目標を掲げておかなければならないそうです。
そのために私たちができることは、

「自分の人生や日々の行いはすべて自分で決定するものなのだと教えること。そして、決めるにあたって必要な知識や経験があればそれを提供していくこと」

「子どもの決断を尊重し、その決断を援助すること。いつでも援助する用意があることを伝えて、近すぎない援助ができる距離で見守ること」

 

ん~、できそうで難しい課題ですね、これは。
でも、子どもの「自立」のためには頑張りたいものです。

 

②「問題行動の5段階」
子どもの問題行動は、5つの段階を踏んで悪化していくそうです。

1.称賛の欲求
2.注目喚起
3.権力争い
4.復讐
5.無能の証明

順番に見ていきましょう。

 

1.称賛の欲求
文字の通り、「ほめてほしい」という段階です。
「いい子」を演じたり、「やる気」「従順さ」を見せて、ほめられようとします。

目的は、「特権的な地位を得ること」

その目的を果たすために、下手すると不正行為に出てしまうこともあります。
また、「ほめてくれる人がいなければ適切な行動をしない」「罰を与える人がいなければ、不適切な行動もとる」という
ライフスタイル(世界観)を身につけていきます。

 

2.注目喚起
せっかくいいことをしてもほめられなかったり、特権的な地位を得られなかったり、
「ほめられること」をする勇気や根気がない場合、
「ほめられなくてもいいからとにかく目立ってやろう」と考え始めます。
これが、「注目喚起」です。

目的は、「目立つことで、特別な存在になり、居場所を確保すること」

積極的な子は「いたずら」、消極的な子は「できない子」として振る舞うことで注目を集め、居場所を見つけようとします。

 

ここまでの段階であれば、これらの問題行動への対処方法として、
前の項目でお伝えした「尊敬(特別である必要はなく、そのままで十分価値があると伝える)」で接すればOKです。
ここから先が個人で対応するには難しいところとなっていきます。

 

3.権力争い
誰にも従わず、挑発を繰り返して戦いを挑む。
その戦いに勝つことで「力」を見せつけ、特権的な地位を得ようとします。

つまり、「反抗」ですね。
万引きや喫煙などもここに入ります。

消極的な子は、どんなに叱られようと勉強や習い事を拒絶し、無視するといった「不従順」で力を証明しようとします。

この段階に来た場合、叱るのは逆効果。
さらに食ってかかってきます。
対処方法としては、「すぐに相手のコートから降りること」。
腹立たしそうな表情をするだけでも権力争いのコートに立ってしまうので要注意です。

 

4.復讐
権力争いを挑んだのに特権的な地位を得られなかった場合、
「わたし」を認めてくれなかった人、愛してくれなかった人に対してひたすら「相手が嫌がること」を繰り返すようになります。
例えばストーカーだとか、自傷行為、引きこもり、非行グループに入る、度を超えて不潔になる・・・といったことです。

「こんなわたしになったのはお前のせいだ」と訴え、その行動を繰り返し、「憎しみ」という感情の中で注目を得ようとします。
憎まれていることで繋がろうとします。

 

5.無能の証明
ここまで様々な行動をとってきたものの、自分の居場所を見いだせない・・・
そうなると、人生に絶望し、自分のことを心底嫌いになり、自分には何も解決できないと信じ込むようになります。

そして、これ以上傷つかないためにも自分がいかに無能であるか、ありとあらゆる手を使って「証明」しようとします。
「わたしに構わないでくれ」「わたしを見捨ててくれ」とこちらが手を差し伸べようとすればするほどより極端に証明するようになります。

復讐、無能の証明の段階まで来てしまった場合は、専門家に頼るしかなくなります。

 

いわゆる「問題行動」の大半は権力争いまでにとどまっているので、私たちにできるのはそれ以上進ませないことです。

 

それ以上進ませないためには、相手をありのまま受け入れ、価値があるんだと伝える「尊敬」が大切だということともう一つ。

「三角柱」がポイントです。

 

③「三角柱」=「悪いあの人」「かわいそうなわたし」「これからどうするか」
悩みを相談するとき、大抵の人は「悪いあの人」を非難するか、「かわいそうなわたし」をアピールするかの2つです。
これは、2つの側面しか見ていないということになります。

大切なのはもう一つの側面、「これからどうするか」

「悪いあの人」の話を聞き、「かわいそうなわたし」の話を聞き、「辛かったね」「あなたは何も悪くない」と同調されれば
癒しは得られるかもしれませんが、それだけでは何の解決にもなりません。
原因を掘り下げても、明日からの具体的な行動に繋がらないんです。

 

必要なのは、「目的」に注目して、「これからどうするか」を一緒に真剣に考えることなんです。

 

もうすぐ生まれてくる弟。
将来、男の子同士のケンカってよくあるんだろうなって思うわけで。
一人っ子でケンカ慣れ(?)していない私にはどうしたものかとちょっと不安でした。

でも、この「これからどうするかを一緒に考える」というのは、兄弟ケンカの仲裁にも役立ちそうですよね。

 

④「すべての仕事に優劣はなく、どんな態度で取り組むかが大切」
今までの流れとはガラッと変わって「仕事」の話です。

家事であれ、会社であれ、ネットビジネスであれ、どんなお仕事も今この世に存在しているということは、
誰かが行う必要があるからこそのもの。
そこに優劣は全くないんです。

 

「われわれ人間は、ただ群れを作ったのではない。人間はここで『分業』という画期的な働き方をてにいれたのだ。
分業とは、人類がその身体的劣等性を補償するために獲得した、生存戦略なのだ」byアドラー

 

人間は一人で生きていけないから、他者と「分業」することで協力しあう必要があるんですね。

また、「自分が好きなこと、得意なこと」を追求していくと、結果的に他者貢献に繋がるということも書かれています。
よくビジネス書や自己啓発本に書かれている「大好きなことを仕事にしよう」というのは、こういうところに繋がるのかと納得。

 

どんな仕事も優劣はないんですが、あるとすれば「仕事に取り組む態度」だとアドラーさんは言っています。

分業の関係の中では、「能力」は重要視されがちですが、一緒に働きだすと能力だけでなくて、
「この人と一緒に働きたいか?」「この人が困ったとき、助けたいか?」ということが大切になってきます。
分業として互いに助け合うためには、この部分って重要ですよね。

その決め手になるのが「仕事に取り組む態度」です。
他者貢献のためにも、真面目に目の前のお仕事に取り組んでいきたいものですね。

 

⑤「相手が自分のことをどう思っているか関係なく(課題の分離)、先にただ愛する」
そしてまたガラッと変わって、最後のお題である「愛」についての項目からです。

「愛される」より「愛する」ってすごく難しいことなんだそう。
ぱっと考えると、愛する方が簡単そうに思えるんですけどね~。

でも、人って愛に担保を求めがちじゃないですか?
勘違いだったとしても、「あの人はきっと自分のことが好きなんだ」「自分を拒絶したりしないはずだ」
と思えてようやく勇気を振り絞って踏み出せるところがあります。

そう考えると、この「相手より先にただ愛することを始める」ってすごく難しいように感じられますよね。
「裏切られたらどうしよ~」とか、「愛してもらえなかったらなんかむなしいな」とか。

 

でも、実際は「傷つくに違いない」「みじめな思いをするに違いない」と半ば確信しているところがあります。

なぜなら、自分を愛せていないから。
自分を尊敬できていないし、信頼できていないから心のどこかで確信しちゃってるんです。
「私はいいところがないから、こんな自分を愛してくれる人なんているはずない」って。

 

これは、劣等コンプレックスの発想なんだそうです。
(劣等コンプレックスって何?ってあなたはこちら

そして、課題の分離もできていないということ。
(課題の分離って何?ってあなたはこちら

 

相手がどう思おうが、自分がどうにかできることじゃないですしね。
自分にできるのは、「ただ先に愛すること」だけなんです。

 

「自分を愛することができなければ、他者を愛することもできない」
「自分を信じることができなければ、他者を信じることもできない」
そんな言葉も書かれていました。

まずは、「ありのままの自分」を受け入れることから始めましょう。

 

私も数年前は全く受け入れられませんでしたが、時を経て、様々な学びを得ることでようやく少しずつ
「ありのままの自分」を愛し、信じることができるようになってきました。

だめだめな自分もまぁアリかな、と。

自分を愛せて劣等コンプレックスを手放すことと、課題の分離ができるようになってようやく「愛すること」
ができるようになるんですね~。

 

そして・・・
アドラーさんは「運命の人は存在しない」と断定しています。
「われわれはいかなる人をも愛することができる」とも言っています。

 

愛するには前述したとおり、踏み出すのにある程度勇気が必要です。
でも、この勇気がない人の言い訳として、「もっと素敵な(運命の)人がいるはず」と可能性の中に生きているんです。

 

「誰かを愛するということは単なる激しい感情ではない。それは決意であり、決断であり、約束である」byエーリッヒ・フロム

 

そう、愛することって「決断する」ことなんです。
愛することは楽しいだけじゃなく、責任もあるし、つらいことも色々あります。
それでも、愛し続けることができるのか・・・ということです。

でも、その「愛の関係」の先に幸せがあります。

 

「楽をしたい」「楽になりたい」と思いながら生きている人は、束の間の快楽を得ることはあっても、ほんとうの幸せをつかむことはできません。
われわれは他者を愛することによってのみ、自己中心性から解放されます。
他者を愛することによってのみ、自立を成しえます。
そして、他者を愛することによってのみ、共同体感覚にたどりつくのです。by哲人

(共同体感覚って何?というあなたはこちら

 

「愛すること」って深いなぁとしみじみ。
「愛する勇気」=「幸せになる勇気」なんだそうです。
私はまだ「愛すること」のスタートラインに立ったぐらいなんじゃないかと思います。
これからゆっくり、育んでいきたいものです。

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大分長くなってしまいました^^;

それでもまだ書ききれてない部分もあるし、
やっぱり読んでみての感じ方だとか受け取り方だとか学びとかは人それぞれだと思うんで、 気になった方は手に取ってみることをおすすめします。

 

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

 


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